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疲労回復 生体アラームって?

■2017/10/10 疲労回復 生体アラームって?
ネット配信マイカラットより。

体の声を聞きましょう。

『疲労と睡眠の医学博士に聞く。疲労とは「生体アラーム」のひとつ

忙しくて疲れているけれど、熱が出るとかどこかが痛いわけではないので今日も残業するか……。そんなふうに思う人は多いのではないでしょうか。大阪市立大学医学部疲労医学教室特任教授で、ベストセラー『すべての疲労は脳が原因』(集英社)の著者でもある梶本修身医師は、「疲労は、生体の三大アラームのひとつです。いち早く自覚して回復に努めてください」と話します。
生体のアラームとは!? いったいどういうことなのでしょうか。詳しく聞いてみました。

■「疲労」、「発熱」、「痛み」は体を守るための警報
――「生体の三大アラーム」とは何なのか、教えてください。

梶本医師 医学的に、「疲労」、「発熱」、「痛み」は人間の体が発する三大アラームだと考えられています。何日も睡眠不足で働く、またあまり食べないで活動すると、病気になって命に関わることがあるかもしれません。私たちの脳と体は、その機能が正常に働きにくい状況になると、「これ以上は危険だ、休みなさい」という警報として、疲労、発熱、痛みといった症状を発するわけです。
――どれも辛いものだとばかり思っていました。しかし、もしその警報を発することができなければ、過労で倒れるまで仕事を続ける恐れがありそうです。

梶本医師 そうです。つまり生体アラームとは、自分の体を守るための脳と体からの声と言えるでしょう。肝心なのはこの警報を聞き入れる、自覚するということですが、このうち、疲労については見逃されやすいのが問題なのです。
発熱と痛みは多くの人がすぐに治そうとしますが、疲労に関しては危機感を持つ人が少なく、気力でなんとかしようと無理を重ねる人もいらっしゃいます。休息をとらずに自分の気力や体力を過信していると、過労で病に倒れることになりかねません。
――確かに、疲れは自覚しても緊急性をあまり感じません。疲労とはどういった異常を訴える警報なのでしょうか。

梶本医師 疲労が蓄積するのは実は、体ではなく脳にある「自律神経の中枢(ちゅうすう)」です。自律神経とは、呼吸、心拍、体温、血圧、血液循環、消化といった生命の維持に欠かせない機能を無意識のうちに調整している神経のことです。
その働きをコントロールする中枢は、脳の「視床下部(ししょうかぶ)」と「前帯状回(ぜんたいじょうかい)」という部分です。平時とは違う状況下、たとえば、毎日残業で睡眠不足だ、休みが少なくて体力的にきつい、仕事や人間関係による精神的ストレスが強い、激しい運動をした、猛暑や極寒など厳しい気象環境にいるなどだと、自律神経は体の機能を一定に保とうとしてフル稼働することになります。そのような状態が続くと中枢がある脳が疲れ、やがて自律神経の機能が衰えてきます。
――自律神経の機能が衰えると、体はどうなるのでしょうか。

梶本医師 頭痛や肩こり、めまい、動悸がする、血圧が変動する、胃重、便秘、下痢、目の疲れ、肌あれ、憂うつ、イライラなどが起こります。1つではなく複数の症状が現れることが多く、誰しも発熱や痛みより頻繁にこうした経験があることでしょう。これらの警報を無視しないで、「自律神経が疲弊しているな。生体アラームだ」と自覚するようにしてください。
――なんと、嫌だとしか思っていなかった不調の数々は、実は体を助けるための目覚まし時計のような役割があったのです。
 
■「飽きた」は脳疲労のサイン
――では、疲労というアラームを無視して仕事や勉強、運動などをし続けるとどうなるのでしょうか。

梶本医師 頭痛や胃重などの不調が強く長びき、過労で心身ともに何らかの病気になる可能性が高まります。脳や心臓、血圧、肥満や血糖に関する生活習慣病のさまざまな研究では、疲労を放置するとそのリスクが高くなることが明らかになっています。
また、疲労が溜まると、細菌やウイルスなど体内に侵入した異物を攻撃する免疫システムの働きが低下します。たとえば、食中毒やインフルエンザのウイルスへの防衛力はダウンするわけです。

――そういえば、疲れると風邪をひきやすく、また治りにくくなります。疲労こそいち早く察知するべきだと思えてきました。

梶本医師 そのとおりです。疲労を自覚するにも、3つのサインがあります。それは、「飽きる」、「疲れる」、「眠くなる」という感覚です。仕事でも運動でも作業に飽きてくると、頭がぼうっとする、目がしょぼしょぼする、体がだるいなどで作業効率が低下します。
無理して続けると、次第に頭痛や肩こりを感じ、さらには眠くなるでしょう。すべて疲労を訴える症状です。何かに「飽きた」と思ったときには同時に、「脳が疲れているのだ」と察してください。
そして、すぐに休息をとってから、次にそれまでとは違う作業を行いましょう。仕事でも勉強でも運動でも、同じ作業を長く続けると脳疲労が起こること、無理をして継続すると危ないことを知っておきましょう。

――それはありがたい情報です。では、仕事中にさっとできる疲労回復法はあるでしょうか。

梶本医師 デスクワークや立ちっぱなしなど、同じ姿勢を続けると疲労が溜まりやすいことが分かっています。飽きたという脳疲労のサインを感じる前に20~30分ごとに定期的に立ちあがる、座るなどして姿勢を変え、ときに手首や足首、けんこう骨を回す、腰をひねるなど軽いストレッチをして血流を促しましょう。同時に水分を補給します。これだけでも脳疲労は改善します。
――ありがとうございました。さっそく実践します。

日ごろ感じている疲れを放置すると、やがては過労となって多くの病気の引き金となること、休息せずに働き続けることがいかに危険なのかということが分かりました。これからは、自分の脳と体からのアラームに注意深く耳を傾けたいものです。
(取材・文 小山田淳一郎/ユンブル)』


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