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サプリメント 甘い言葉には気をつけて

■2017/08/15 サプリメント 甘い言葉には気をつけて
ネット配信産経新聞より。

そんなに簡単に効果の出るものなどありません。

『「胸が大きくなる」はずが…健康被害 「女子力アップにサプリで女性ホルモン」に潜む落とし穴

 「プエラリア・ミリフィカ」という植物の成分を含むサプリメント(栄養補助食品)による健康被害が相次いでいるとして、国民生活センターなどが摂取を控えるよう呼び掛けている。この成分は10年以上前にも「更年期障害に効く」と中高年女性の間でブームになったが、今回は「豊胸効果がある」と若い女性が多いのが特徴。専門家は安易な摂取に警鐘を鳴らす。

 「生理が止まった」「大量の不正出血が起こった」-。全国の消費生活センターなどに「プエラリア・ミリフィカ」の成分を含むサプリの摂取者から寄せられる健康被害の訴えが急増している。過去5年(2012年4月~今年4月末日)に寄せられた209件のうち200件近くが15年度以降に集中しているのだ。

 年代別に見ると20代が69件と最多で、若い女性で目立つ。40代(42件)△30代(41件)△10代(37件)…と続く。被害の内容は、嘔吐(おうと)や腹痛、下痢などの消化器障害が76件で最多。次いで皮膚障害(59件)△月経不順・不正出血(33件)-の順だ。

 プエラリア・ミリフィカはタイ原産のマメ科の植物で、根に女性ホルモンと同じ働きをする成分を含んでいる。大豆などに含まれるイソフラボン類も女性ホルモンと同じ作用があるが、プエラリア・ミリフィカに含まれる成分の作用は、なんとイソフラボン類より1千~1万倍強い、という報告もある。

 国民生活センターは、プエラリア・ミリフィカの成分を含むサプリ12商品を分析した。すると10商品に女性ホルモンと同じ作用が認められた。うち3商品の作用は、身体に影響を及ぼすおそれがあるほど強いことが分かった。国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」によると、プエラリア・ミリフィカに含まれる成分は、産地や収穫時期、植物の年齢によってかなりばらつきがある。

 従ってサプリに含まれる成分にも幅があり、女性ホルモンと同じ作用が認められない商品もあれば、強く働く商品もあることになる。報告されている月経不順や不正出血といった月経に関する健康被害は、まさにこの成分がもつ女性ホルモンと同じ作用によるものとみられる。このため同センターは「摂取によりホルモンバランスが崩れるなど思わぬ健康被害が発生するおそれがある」と警鐘を鳴らす。

 「ザクロや大豆、最近では胎盤エキスなどが、女性ホルモン様の物質を含んでいるとしてブームになってきた」と指摘するのは、小波秀雄・京都女子大名誉教授だ。科学的効能をうたう“ニセ科学”問題に長年、警鐘を鳴らしている。小波さんは、プエラリア・ミリフィカの成分を含むサプリによる健康被害が急増する背景を、次のように見ている。

 「女性ホルモンそのものは女性が女性らしくなるために不可欠なホルモンだが、これをサプリで補うことで、さらに『女子力がアップする』という間違った思い込みが広まっている」

 実際インターネットで「プエラリア」を検索してみると、「強いバストアップの効果」「芸能人やモデルも愛用! 女子力アップ」などと記された検索結果がずらりと並ぶのだから、胸が大きくなることを期待して摂取する人も少なくないようだ。ちなみに男性用には「抜け毛が減る」「若返る」などの効果が挙げられている。しかし、医薬基盤・健康・栄養研究所によれば、豊胸などの目的で服用する場合の安全性や有効性に関する研究報告は、ほとんどないという。

 そもそも、本当に女性ホルモンをたくさん取り込むと胸が大きくなるのだろうか?

 「ピル(女性ホルモンを補充する薬)を飲んで胸が張る人もいるので、多少の効果はあるでしょう」

 産婦人科医の田村正明さんは、一定の効果は認めるものの警鐘を鳴らす。

 「効果があるということは、医薬品と同じように副作用もあると考えるべき。サプリだから安全と考えるのは間違い」

 報告されている「生理が止まる」健康被害は、本来は剥離するはずの子宮内膜が増殖を続けていることを意味する。この状態が続くと、子宮内膜増殖症や閉経後の子宮内膜がんになるリスクが高くなるとされる。では、女性ホルモンが減少する更年期の女性なら、この成分を摂取しても問題ないだろうか?

 更年期症状が緩和した場合、医師が行う「ホルモン補充療法」と同じ効果が出たといえる。しかし、ホルモン補充療法は更年期の症状を緩和するメリットがある一方、血栓症や子宮内膜がん、乳がんのリスクが高まるデメリットが知られている。プエラリア・ミリフィカに効果があるならば、同時に副作用が起きるリスクも考慮しなくてはならないということだ。

 韓国や欧州連合は、この成分のサプリへの使用や販売を禁止している。原産国タイでは1日摂取量を100ミリグラム未満と定めている。しかし、日本ではサプリに使う際の含有量などに規制はない。厚生労働省食品基準審査課は「現在、被害状況についてさらに詳しい調査をしており、その結果を踏まえて何らかの対応が必要か検討したい」としたうえで、「女性ホルモンが不足していると思うような症状がある場合、まずは医師の診断を受けるべきです。サプリによる安易な摂取は控えてほしい」と呼び掛けている。(文化部 平沢裕子)』

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